防火対象物点検
防火対象物点検は平成15年に新しく設けられた制度で、主に適切な避難ができる環境にあるかを点検します。対象となる建物は、特定防火対象物です。
防火対象物点検項目
防火管理者を選任しているか
消火・通報・避難訓練を実施しているか
避難階段に避難の障害となる物が置かれていないか
防火戸の閉鎖に障害となる物が置かれていないか
カーテン等の防炎対象物品に防炎性能を有する旨の表示が付けられているか
消防法令の基準による消防用設備等が設置されているか
特定防火対象物とは
下記令別表第1におけるもののうち法第17条の2の5に定められている防火対象物で、「多数の者が出入りするものとして政令で定めるもの」と規定されています。
ただ、多数の者が出入りすると言っても、例えば従業員が1000人以上の会社等は含まれず、その防火対象物を利用する個人が定まっていないものが該当します。
その他、老人ホーム等の高齢者福祉施設、保育園・幼稚園等の児童福祉施設、養護学校・援護施設等の障害者福祉施設や病院等が該当しています。
一定の防火対象物の管理について、権原を有する者は、防火対象物点検資格者に防火管理上必要な業務について点検させ、その結果を消防長または消防署長に報告する義務があります。
防火対象物点検は、通常の消防設備点検とは異なる制度の為、対象となる建物は、両方の点検、報告を行う必要があります。
特定防火対象物(令別表第1)
項別 | 防火対象物の用途 | |
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(1) | イ | 劇場・映画館・演芸場・観覧場 |
ロ | 公会堂・集会場 | |
(2) | イ | キャバレー・カフェ・ナイトクラブ・その他これらに類する施設 |
ロ | 遊技場・ダンスホール | |
ハ | 風営法に規定する性風俗関連特殊営業店舗・その他総務省令で定めるもの(則第5条) | |
ニ | カラオケボックス・個室型店舗で総務省令で定めるもの(則第5条) | |
(3) | イ | 待合・料理店・その他これらに類する施設 |
ロ | 飲食店 | |
(4) | 百貨店・店舗型マーケット・展示場・その他物品販売業を営む店舗 | |
(5) | イ | 旅館・ホテル・宿泊所(簡易宿所・カプセルホテル・無料宿泊所など)・その他これらに類する施設 |
(6) | イ | 病院・診療所・助産所 |
ロ | 特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・救護施設・乳児院・知的障害者援護施設・身体障害者更生援護施設等の要介護状態にある者や心神・身体障害の程度が重い者など火災時において自力で避難 することが著しく困難な者が入居・入所する社会福祉施設 | |
ハ | 老人デイサービスセンター・軽費老人ホーム・老人福祉センター・保育所(保育園)・児童養護施設・地域活動支援センター・小規模多機能型居宅介護施設・短期入所施設・自立支援施設・通所施 設等そのほかの社会福祉施設 | |
ニ | 幼稚園・特別支援学校 | |
(9) | イ | 蒸気浴場・熱気浴場・その他これらに類する公衆浴場(サウナ風呂・岩風呂・砂風呂など) |
(16) | イ | 建物の一部が(1)項から(15)項までのうちの特防に該当している複合用途防火対象物(住宅兼食堂・経営者がそれぞれ違うホテル兼レストランなど) |
(16の2) | 地下街 | |
(16の3) | (16の2)項に該当するものは除いて、建物の地階で連続して地下道に面したものとその地下道を合わせた部分(通称「準地下街」) | |
ただし(1)項から(15)項のうちで特防に該当する用途部分を含んでいるものに限る(地階がある隣あうビル同士を地下道でつないだものなど) |